香日記
「ただ香りを聞く」ことを楽しむようになって、お稽古をやめてしまいましたが、「香道秘伝書集註の世界」を読んで以来、香木を組み合わせる面白さを知りました。「鼻休め」という言葉とともに、香道で普通に語られる六国や五味という言葉は、もしかすると意外と新しいのかもしれません。最近では、その六国五味より、身体への効果を優先して組合わせ、1時間ほど楽しんでいます。
センタリング呼吸の先生や気の合った友人たちと楽しむ聞香ですが、元気で、この先十年続けようと思うと香木も少なくなってきます。工夫しながら、一炷目には身体が緩む香木を使い、上手に組み合わせて、最後は伽羅で終わるように、用意します。聞く側の感度が上がれば、これまで使わなかった香木や白檀などの沈香未満の香木が効果的に作用することにも気がついて、香木を炷いて聞くのは同じですが、気がつくことが変るというは、進化しているんでしょう、ね。<R05/01/05>
連衆が違うと聞香も違う<R7/3/11>
毎月の聞香もご一緒する顔ぶれが違うと何かしら違います。香りを聞くのに集中するのは同じでも、対するものや求めるものは違います。特にセンタリングの先生と友人との聞香では、どこにどんな効果があるかということに興味があって、先日も四炷目で頭の当たりばかりが急に温まり、足元をスースー風が抜けていくようで、ゆっくり聞くというよりいつまでこの効果が続くのかと気になりました。香りも変っていて、帰って香木の控えを見ると”雑味あり、後は普通”とあったのですが、どこが普通だったのか?もっと早く二炷目に聞くとどうなるだろう?というのは私の次の用意のメモです。
今日は、友人たちとの聞香でしたが、寸門多羅を三炷目と五炷目に使ったのですが、香木そのものの香りと質の違いが面白かったようで、何故この並び方にするのかが疑問のようでした。
最後に伽羅を聞くのはいつも同じですが、良く聞けるように一炷目から五炷目までの順を考えて、うまくいった時は内心で拍手ですが、思った通りいかなかった時には、次の回でリベンジします。
センタリン聞香<R07/2/6>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。風が強く寒い日でしたが、お香を聞いてゆっくりほっこりしました。一炷目、二炷目はこれ以上ない組み合わせです。しっかり緩んで、その次は香りよく効果も素晴らしくこの二炷で出来上がり~と私はいつも思います。四炷目に伽羅らしい伽羅を聞いて、最後は極上の伽羅を聞いて終了しました。聞く人のそれぞれの体調で効果は異なりますが、私は最後の伽羅で届かなかった最後のところが緩んで満足感いっぱいでした。どの香木も均質ではなく、それがまた変化があって面白いのですが、同じ質で、みんな一緒がよい時代には受け入れがたいかもしれません。聞香は諸行無常。
初聞香<R07/1/9>
昨日は初聞香でした。センタリングの先生と友人と寒い一日ほっこりしました。身体の中心がしっかりして、香炉の灰の山がきれいにできて準備は万全でスタートしました。まずは、緩む香木からです。前日から右ひじが痛くて気になっていたのですが、すぐに先生のチェックです。友人からは右の手が上がっていると言われ、やはり固まった箇所があったのです。寒い日に限らず、香りより緩むことが一番ですが滞っている場所があると、緩み方も今一つです。身体への効果を味わいながら10分ほどで次の香木を炷きます。甘い香りで上品の沈香は、頭から体の隅々までしみわたります。三炷目はゆったり聞けて身体もさらに緩んでゆっくりできます。四炷目は、頭がさらにゆるんで、次の香木は沈香らしい味わいでした。最後の伽羅は聞き始めてから45分からと決めていますが時間の管理も仕事です。伽羅の効果は素晴らしく、十分緩んだその先へゆっくり届いていきます。今年も休まず続けたいと思います。
センタリング聞香<R06/12/5>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。 入院した友人が心配で頭も身体もが固まっているので温まってゆっくりしましょうと思って出かけました。
急に寒くなったので、必ず緩むとっておきが今日の一炷目。香りもよく長く良く聞ける優等生は思った通りの効果があり、三人とも大満足でした。長く聞けるように大事に使っています。二炷目はまた違った香りで良く緩みます。三炷目は香りがそれほどいいわけでなくよくわからないけれど・・・と思いながら聞きました。四炷目は、安心して聞けてさらに緩む定番の香木でした。ここで先生のプチ治療。右の薬指から肩へ、すっきり通していただきました。香炉を持った右手が上がりにくく首がスムーズに動かない状態が解消!頭の右上を意識しながら聞くように指示がありました。最後の伽羅が良く聞けるようにとの愛情たっぷりの配慮に毎回感謝m(__)mそして、五炷目は、なんとも臭い!三巡した頃にやっと香木らしい姿があらわれ、少し甘い香りがしましたが、想定外の経験でした。最後は、もうすぐなくなるという伽羅。優しく甘く、その甘さは伽羅には珍しいなと改めて感じながら、長く楽しんだ聞香でした。
わかっている香木は安心ですが、予定にない展開は、その意外性が頭には効果的なのか固まった頭もすっきり切り替わった気がして、身体も温まって終わりました。千穐万歳。
センタリン聞香<R06/11/7>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。いつも通り緩む香りから始めて、次の香木はずいぶん以前に分けてもらって最後の三片。その時はとても良いと思った香りでしたが長く置くと香りもなくなっていくようで、ちょっと残念でした。三炷目でまた緩んで四炷目は前回の伽羅をもう一度用意しました。リベンジです。火加減も良く、やはり伽羅だったと納得しましたが、上品と中品の違いなのでしょう。力と香りが不足しています。五炷目が意外や長く良く、最後まで火の勢いが続くように時間を気にしつつ、上品の伽羅で終了。
途中と最後に先生の治療があったのはもちろんですが、面白いことに、友人は山のようにゴボウのささがきをし、私は同じく山のように生姜の薄切りをし、先生にはご迷惑なことでした。出かける日は朝から体調を整えるべくあれこれ身体を動かすのですが、右の腰はおかしいまま、ねじれて右の横隔膜が下がっていました。聞香でしっかり温まって緩んだ後で先生の手が加わるとすっきり整えていただいて有難いことです。改めて呼吸と身体の中心を保つ方法を教えていただいて終わりました。今日は立冬。今年も次の聞香でおしまいです。
センタリング聞香<R06/10/2>
今日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。いつも通り緩む香木から始めて、さらに温まって、また緩んでと、ゆっくり、香りより効果を楽しみながら最後の伽羅に期待しましたが、今日は香りより効果、身体が緩んで温まる時間を楽しみすぎたようです。伽羅がなくても満足感は得られましたが、やはり伽羅は伽羅であってほしい。次回の伽羅は厳選します。
早くも十年が過ぎて、ひたすら香りを聞きながら得られたものは何か?というと、聞く姿勢なのです。もちろん先生のご指導があってのことですが、身体が緩んでこそ体験できて私なりに体得できていると実感できます。尾骨から真直ぐ、天まで伸びて、香を聞くときには呼吸とともに胸が広がって美しいデコルテの出来上がりです。これからも歳を重ねていく私には、伽羅も大事ですが、姿勢はもっと大事ですね。趣味の墨書も、筆を持って字を書く時の姿勢を同じくできるようになって、文句ないよね!の聞香です。石の上の十年の成果です。
センタリング聞香<R06/9/5>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。
今月の聞香の組み合わせは、理想的でした!と自画自賛。始めの一炷目は良く緩む香木でした。。年齢が行くほど、香りよりしっかり緩むことが一番と思うようになりました。固まったところ、詰まっているところが少しづつ緩んでリラックスできる訳です。二炷、三炷と身体に心地よく、さらに四炷目でも緩みました。欠伸がでて、涙が出て、そのまま寝てしまいたい、頭がからっぽになってくるのです。身体も頭も副交感神経優位の状態になります。良い香りの伽羅で、すっきりして終了しましたが、身体にも頭にも心地よい時間が過ごせました。
一般には、お香と言えば組香ですが、一時間ほどで六種類の香りを聞いてゆったりできるこんなお香の聞き方もあって、それぞれの楽しみ方ですね。
センタリング聞香<R06/8/8>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。
右の肩甲骨の当たりがかたいので、しっかり緩んで温まろうと思いながら、もちろん一炷目は、よく緩む香木からですが、初めから欠伸がでて身体が緩みたがっているのが自分でもわかります。エアコンの中にいて、身体が冷えていると身体のあちこちが縮むので、温かいものを食べて、足湯をしたりと工夫はしていますが、向かいに座る先生には、いつもこちらの具合の悪さが目について申し訳ないことです。何回か聞いた後、早々に、針治療を施していただいて、右の胸に息がすっと入って気持ちよく身体が伸びて、その効果は絶大です!
昨日はいつもと違う組み合わせで、二炷目も良く緩みました。以前から使い方が決まらない香木があって、それを四炷目に聞くつもりで用意をしたのですが、とても地味~な組み合わせになって、その結果どれも長く気がつくと一時間。炭団の火の勢いがなくなるとせっかくの伽羅を楽しめないので慌てましたが、ちょっと細工をして、いつも通りに終りました。これまで鼻休めに使っていた香木が良く緩むのがわかったり、安心の香木が思っている以上に香りも身体への効果も良いのに気がついたり、違うことをすると脳が違う反応をするのか、思い込みは脳の働きを邪魔するのかもしれません。迷っていた香木はしばらくお蔵入りして、次の出番を待つことにしました。
聞香では、同じことがないという面白さと、身体への効果がこれほどかという驚きが長く続けられる理由でもありますが、この三人で聞くスタイルは次に香炉が回ってくるまでの時間が頭と身体にちょうど良いようです。香木は薬と言われますが、先生のプチ治療と最後の伽羅のお蔭で、呼吸と合わせて身体の隅々まで香りの粒子が行き渡るようで、手がほっこり汗ばんで、この温まり具合は格別です。
友人との聞香<R06/7/30>
今日は久し振りに若い友人達との聞香でした。一日エアコンの中にいて、冷えている身体を温めるつもりで、昨日は足湯をして、今日に備えたのですが、冷えていると思ったのは私だけのようでしたが、事前に準備をしたので効果は◎だと思うんですよね。
いつもと同じ緩む香りから始めて、二炷目で、さらに血流が良くなりましたが、友人たちも同じように感じたようで、なによりでした。私はこっそり、前回の復習、尾骨からつなぐ、息を吐く時の首の角度に気を付けながら聞きました。最後の伽羅はこれぞ伽羅!の高品質で大満足で終了。夏の聞香は身体の芯から温まって良いと思うのは私だけではないようで、炷数が多い夏の組香が多くあるのに合点します。
センタリング聞香<R06/7/4>
昨日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。、悪かった体調がやっと戻って、身体の状態も整えて出かけましたが、香炉の灰の山もきれいにできて、火加減もよく、途中で香木を入れ替える余裕もあって、これからもやっていけるなという気持ちで、改めて一歩を踏み出した気持ちでした。長く続けていると、今していることが当然で、香木を入れ替えようとは考えてもいませんでしたが、意外や正直な判断が良い効果をもたらしたようです。
一炷目でゆっくりほどけて、二炷目でさらにしっかり緩んで、その次の三炷目の香木を良い香木に入れ替えたのですが、そこで先生の”尾骨からつなぐ”というご指導があって、うなじ筋も伸びた私なりの聞く姿勢のつもりでしたが、さらに伸びあがって変りました。尾骨からつながる自分の変化に、こんなになるのか!と驚きました。さらに蝶形骨のお話をうかがって、聞香で頭が緩むというのは、その骨にあったのか、と納得しました。最後の伽羅を聞く時には、頭の具合を整えていただいて、息を吐く時の角度もしっかりとして、香りが均等に届くようになりました。
香木の”真那蛮”を、以前は”すっと上がって、真直ぐ丹田へ落ちてくる、そのスピードが早い”と、思っていたのですが、次第に自信がなくなっていたのですが、やはりというかこちらの体調が良ければそう感じられるということだったような、、、そんな気がしました。この香木の力を借りて、尾骨とうまくつながったと、この香木のお蔭とひそかに思っています。
お香を聞くと身体が整う(センタリングの先生のお蔭ですが)。自分なりに身体の状態を整えていれば、さらに聞香は楽しく良く聞ける!
友人との聞香<R06/3/13>
三人が揃っての聞香でした。先月休んだ友人好みの香木を二炷用意しましたが、共通したところはあるのですが、違うところもあって楽しめました。おしゃべりしながらゆっくり聞いて、友人たちも、身体に良い効果もあってストレス解消の時間です。用意する私にとっても癒しとともにセンタリングのエクササイズの時間でもあります。春の旅行に備えて、荷造りをしたのですが、久し振りのことであたふた、ばたばた動き回って少々オ^バーワークでした。お香をf聞きながら、股関節を締めて、中心軸を意識しながら、肩甲骨から肩を緩めるつもりの聞香でした。香りも聞いて、センタリングも実践してと欲張りです。香りを聞くことで、身体が緩んでたまっていた疲れが出ていきます。いつも聞香の日の夜はぐっすり爆睡です。やめられませんねぇ~
センタリング聞香<R06/3/6>
今日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。一炷目は緩む香木、二炷目はこれはいい、という香木。三炷目もよく聞く香りで安心感がありました。香木は、センタリングの先生にいただいたり、お知り合いにいただいたり、伽羅はお稽古をしていたころに分けていただいた貴重品です。聞く順は私が考えますが、毎月の聞香も香木があってこそで有難いことです。以前は、三炷目と五炷目は鼻休めのつもりでしたが、五炷目でもう一度ゆるんだことがあって、今日の五炷目は緩む香木を用意して聞いたのですが、緩んでこない!のです。緩むはずと思っていましたが、はて、すでに十分緩んだから緩まないのか?と思っているところで、最後の伽羅を聞きながら手に先生の針治療。いやはや、そこから頭までこの道を通ったとわかるほどの効果で緩みました。なぁ~んだ、緩まないところがあったのだと、納得がいきました。さらに後頂にも針治療で首の後ろが伸びました。ちょうど前日に背中から首がしんどくて”股関節をしめ、会陰から天へ、中心を確かめて肩を緩めて息をはく”を何度か繰り返したのですが、天の少し後ろと教えていただきました。毎月の聞香は、実は私自身のための聞香なのです。ご一緒していただく先生と友人にも良い効果があればいいのですが、、、伽羅の香りをまとって帰りました。
センタリング聞香<R06/2/8>
今日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。一炷目の緩む香木は主張せず上品で効果あり。右背中から肩、そして首にかけて固まっている私は、緩んではいるのですが、背中へ息が入っていないようで一炷目では無理かと思っていると、先生から脳戸を見てそのまま肩の力を抜いて息を吐くと教えていただき、何度か聞くうちに、背中から首筋も伸び、あっという間に良い姿勢の出来上がりです。正面に座っておられる先生は見えてしまわれるのですね。有難いことです。二、三炷と順調に進み、四、五炷は似た香りでしたが、最後にもう一度隅々まで香りが広がって緩んでいくなと思っていると、さらにもう一声。会陰から順に丁寧に、下から上までが真直ぐにつながっていきました。首も伸びて頭も軽くなって、これで最後の伽羅を聞く準備が整いました。せっかくよい香りを聞くのだからとアドバイスして下さる先生の思し召しに感謝しながら一時間を終えました。
香りとともに呼吸すると、香りがどこへ運ばれるのかが意識されるようで、まるで呼吸に色がついているように錯覚しますが、感度が低いのか、行き渡ったているはずの手の先、足の先までは追いかけられません。今年は”頭を空に、香りの行き先を感じ”たい!
センタリング聞香<R06/1/10>
今日はセンタリングの先生と友人との聞香でした。一炷目の緩む香木がとてもよく、長く聞けてほっこりし、甘くさわやかな二炷目の香りでさらにほどけました。三炷目は鼻休めのつもりで、余り期待していなかったのですが、始めのきつい香りが過ぎて良くなったなと思ったと同時に、また緩むという思わぬ効果に、改めて、頭で先に決めずに、頭を空に、もっと素直に!と思いました。今年は”何事も頭を空に、柔軟に受け入れる”こと、と年明け最初の聞香で目標が決まりました。四炷目まで、炷く香木の量を調節しながら40分ほど過ぎて十分緩んだと思っていたのですが、五炷目でもまだ緩んでくるのです。背中が楽になってどこか詰まっていたのかな?と上手に聞いて上手に緩んで花丸の聞香でした。最後の伽羅も上品で満足感一杯で良いスタートでした。前日には、友人たちとの聞香でしたが、おしゃべりが多くてもったいないことだと思うのですが、いつもほっこり気持ちよく終わるので、それも良しです。香木を切ったり、香炉の灰を用意するには集中力も必要ですが、姿勢が大事で、聞香で”身体を緩めて中心をしっかり”そしてまた”用意する”の繰り返しが私の健康維持に役に立っているようです。有難いことです。
香日記 を(令和5年)